〜WORLDNAVIコラム〜 最近、ナイジェリア等のアフリカ諸国から時々メールが舞い込む様になった。私は今までアフリカ旅行をした事も無く、アフリカの友人も少ないのだが、多い日には一日に複数も目にする事がある。 最初は何かの間違いだろうと放って置いていたが、読んでみると興味深い。あるメールには、「私はアフリカ開銀の関係者であったが、10年以上も使われていない巨額の裏金があり、このお金の海外送金のために銀行口座を貸してくれたら(つまりはマネーロンダリング(資金洗浄)に協力してくれたら)、35%を報奨として分け与える。この送金のため、貴方の口座番号を教えて欲しい。」とある。「巨額の裏金」とは3000万米ドルあるそうで、報奨金の3割とは900万ドル、日本円で10億円以上の大金だ。宝くじに当たること(願わくばジャンボくじを一等で)を毎日夢見ている私にとって、これは宝くじ以上に美味しい話。だが待てよ、これは話が美味しすぎるだろう。新手の詐欺商法かもしれない、と思い、少し調べてみた。残念ながらやはりそうだ。しかも、新手の詐欺では無く、数十年も前から存在する、有名な詐欺団の手口なのだ。 ネット上を探してみると、この詐欺団に関する注意喚起と詐欺の手口を紹介しているページを目にする。先に書いたマネーロンダリングは典型的な手口で、こちらが興味を示すと送金のための「手数料」等が必要だと言われ、振込みを迫られたり、教えた口座がすっかり空っぽになってしまう。 その他にも貿易取引や遺産相続を装ったもの、政府調達を装ってご丁寧にも「偽官報」まで送付してくるケースもると言うから驚きだ。 詐欺レターの発信元は、元々ナイジェリアが多かったが、現在ではナイジェリアだけでは無くアフリカ諸国一帯、それ以外の地域にも広がっている、日本国内の消印でレターが投函された例もあるらしい。 詐欺レターやメールには、"CONFIDENTIAL"や"URGENT" の単語が良く見受けられるのが一つの特徴だ。しかし、こんなメールを受け取っても、美味い話は裏がある。海外の掲示板等に書き込みをすると、多少の迷惑メールが舞い込むのは仕方が無い。そう思って、この様なメールを受け取っても無視して削除するのが賢い対処法であろう。 以前は、企業禄やイエローページ等の住所を参考に、ビジネスレターとして郵送等で手紙が送られてくるアプローチが多かったが、インターネットの登場で、彼らは極めて安上がりに、かつ非常に容易に、多くの一般の人々にアプローチを仕掛けるようになってきている。 この詐欺の被害額は、米国だけで年間数億ドルにのぼると言う。日本での被害も少なからず発生しており、この詐欺団は、国際的なシンジケートの様相を呈している。 冷静に考えてみると、誰がこんなに詐欺めいた話に乗るのだろう、とも思えるが、数十年も詐欺団の活動が続いている事実は、毎年それだけカモになる人がいるという証左でもある。 当たり前の事ではあるが、世の中そんなに美味しい話は転がっていない。貴方もくれぐれもご用心を。 参考リンク・サイト: 【注意喚起】国際的詐欺事件(通称419事件)について 国際的詐欺事件(通称419事件、ナイジェリア詐欺事件)の犯人から送られてきた手紙(実物) 国際詐欺団:高額寄付持ちかけ手数料狙う?(毎日新聞記事) アフリカ投資M資金話コレクション 全米詐欺情報センター/インターネット詐欺監視団[英語] SCAM: The Nigerian Advance Fee Scheme 参考資料: 詐欺団から送られてきたとみられるメールの実例(1.2) |
匿名希望 (感想等はこちらへ) 2002.07.14 |
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