今年も9月11日がやって来た。11日のテレビでは、日本のテレビでも、NY、ワシントンで同時多発テロ事件の追悼式典の模様や911を振り返る番組が多く見られたが、小生の尊敬する先生より911事件一色に染まったNYの現地状況を伝えるメールを頂いた。
本人のご了解を頂いた上で、ここに紹介したい。
先生の分析では、11月5日の中間選挙までに本格的な攻撃を開始する可能性は低いが、現状を見る限りでは、米国がイラクを攻撃する事はほぼ確実で、問題はその時期であるとの事であった。やはり戦争は避けられないものなのだろうか。 力による物事の解決は、多くの無実の人を悲惨な状況に追いやり、力による応報で事態を更に悪化させる。この事は、最近のイスラエルとパレスチナの悲劇を考えても明らかだ。 各国の9月11日の表情を伝えるTVニュースで、多くの国が追悼式典をする中、イラクでは「911事件は神の与えた天罰だ」と書かれたポスターの様子が映し出されていた。これだけを見るとイラクを叩きたくなる米国の気持ちも分らなくない、と思う視聴者の方も多いかもしれないが、イラク国内に目を向けると、湾岸戦争後の米国主導の制裁による死者が、乳幼児を中心に100万人を超えると言われ、イラク政府運営のWebサイトには、アメリカのイラクへの制裁を非難する文書が掲載されている。この困窮極まりないイラク国内では、いっそのこと戦争をした方が良い、という気運すら一部にあると言われる。着々と次の戦争に向けての環境作りは進みつつある。 この様な現状に対して、このコラムやサイトはあまりにも無力で、私一人がこの様な事を書き立てたとしても何にもならないかも知れない。であったとしても、暴力の連鎖がこれ以上広がらない事を強く願わずにはいられない。 NYとワシントンで犠牲になった約3000人の犠牲者と、その後の力による応報(=アフガニスタンへの攻撃)で犠牲になった、少なくとも3767人と言われる無実の市民、そして経済制裁の巻き添えを受け、命を落としていった多くの方々の冥福を祈りつつ。
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草場 歩 (感想等はこちらへ) 2002.09.12 |
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